守り人たちはさらに驚愕した。
 自分たちの知らないところで主人がそのような状態になっていたことへの憤りを感じていた。
 結月や朔へではなく、敵に対しての憤りだ。

「朔様……本当でしょうか……?」

 凛が様子をうかがうように言う。
 あの夜から今まで怪我はしていたがいつも通りの生活を送っていた朔の様子を思いながら伺う。

「そいつの言ったことは正しい。俺は刃が自分の身体に届く瞬間に自らの身体をわずかにそらして避けた。魂の件は今はじめて知ったがな」

「瀬那、朔様の身体を透視して様子を見れますか?」

「やってみます」

 瀬那は朔様のほうをじっと見つめ、目を細めて集中していく。
 わずかな時間沈黙が訪れる。


 透視が終わったのか、瀬那が口を開いた。

「……魂にかすかな傷のようなものは確認できます。──間違いないかと」

「魂に傷って……身体に影響はないんですか?」

 蓮人が朔の身体を心配していう。

「今のところ問題ない」

「実質的な身体に与える影響は不確定です。朔様にはしばらく安静にしてもらったほうがよろしいかと」

 実桜が朔、凛に向けて発言をする。

「そうですね、朔様しばらく職務の補佐に私が入らせていただきます、いかがでしょうか」

「お前が言うなら仕方あるまい」

 結月は朔に自分自身の記憶がない部分について質問した。

「朔様、私はそのあと敵を倒したのでしょうか?」