朔は自室で考えに耽っていた。

(力の暴走か……それほど強大な力なのか? 涼風の力は)

 治療の施された自らの左手を眺める。

(自分でも勝手に身体が動いた……)

 朔は結月が暴走し、刃を交えた瞬間の時を思い出す。

(守りたいと思った……この俺が)

 朔は芽生えた感情に少しばかり取り乱していた──