朔は太刀で朱羅の刀を強引に押し戻すと、そのまま壁際まで一気に朱羅を追い詰める。

「朱羅、一条家を侮るな」

 朔は大太刀へと変化させるとそのままの勢いで朱羅を大部屋へ押し出した。
 壁は脆く崩れ、部屋と部屋の間には大きな穴があく。

 両者は一定の距離を取り、刀を構え立つ。
 一条家の太刀、天牙の太刀を変化して構える朔に朱羅が嘲笑いながら言う。

「お前ごときが結月を手に入れられるとでも思ったか?」

「──っ!」

 朱羅の言葉に朔は反応を示す。

「結月(あれ)はお前ごときが扱える代物じゃねえんだよ。黙っておとなしく俺に殺されていろ!」

 朱羅が再び朔との距離を詰めようとするが、朔の斬撃により阻まれる。
 朔は怒りの表情を浮かべながら、朱羅をすごむ。


「お前ごときが結月を語るな」

 怒気を身にまとう朔に対して、朱羅ですら一瞬の畏怖を感じていた。