──金翠の間。

 目が覚めた結月は朔が招集した守り人たちに『翠緑の風』について、そして朱羅の出自について語った。

「生命力を奪う力……」

「はい、私の力はその力に対抗するために存在する力です」

「信じられねえ……そんなことあんのかよ……」

 蓮人は歯を強く噛み、強大な力の存在に畏怖する。


「一つ、結月さんにはお伝えしていないことがありました」

 凛は結月のほうを向き、発言する。

「? なんでしょうか?」

「私たちは朱羅を『涼風家の仇』『一条家の敵』として扱ってきましたが、正式には違います」

 凛は少し言うのをためらいながら、真実を告げる。