「今代の『翠緑の風』の発現者は私、そして『凋枯の風』の発現者が朱羅です」
「……知っていたのか、朱羅のことを」
「はい、忘れていました、長年。私自身も会ったことがあったのはほんの二度ほど」
「朱羅はそのことを知っているのか?」
「わかりません。ただ、何かをきっかけに知った可能性はあります」
結月と朔の間に長い沈黙が流れる。
「朔様、あなたはどこまで知っているのですか? 父は朱羅をまさか殺そうと……」
「いや、千里様と俺の父親は朱羅を保護していた。朱羅を殺そうとしたのは涼風家の元老院の者どもだ」
「では……やはり、朱羅は……」
「千里様と俺の父親が朱羅の家族を殺したと思い込んでいるだろうな」
「まさか、それで父と母は殺されたというのですか?!」
結月はこれまでの自分の人生を思い返しながら涙を流した。
「……知っていたのか、朱羅のことを」
「はい、忘れていました、長年。私自身も会ったことがあったのはほんの二度ほど」
「朱羅はそのことを知っているのか?」
「わかりません。ただ、何かをきっかけに知った可能性はあります」
結月と朔の間に長い沈黙が流れる。
「朔様、あなたはどこまで知っているのですか? 父は朱羅をまさか殺そうと……」
「いや、千里様と俺の父親は朱羅を保護していた。朱羅を殺そうとしたのは涼風家の元老院の者どもだ」
「では……やはり、朱羅は……」
「千里様と俺の父親が朱羅の家族を殺したと思い込んでいるだろうな」
「まさか、それで父と母は殺されたというのですか?!」
結月はこれまでの自分の人生を思い返しながら涙を流した。