結月が目を覚ましたときには、目の前が惨状となっていた。
 倒れ込む凛に、瀬那たちが駆け寄る。

(頭がぼーっとする……あれ……私……凛さんに……っ! そうだ! 凛さんに毒を流し込まれて……)

 結月は自分に起こったことを思い出していたが、それよりも目の前の状況が理解できなかった。


「凛さんっ?!」

「結月っ! 起きたのか! 身体は無事なのか?」

「私は大丈夫です! それよりも凛さんは!? 凛さんはどうしたんですか?!」

「それが、魁に後ろから突然刺されて……今瀬那と実桜で血止めをしているが、一向に引かねえ」

「く~ん」

「琥珀?!」

 瀬那と実桜が処置を続ける傍で、心配そうに寄り添う琥珀。

 結月は必死に目の前の状況に頭を追いつかせようとする。