「琥珀」

 元老院の者たちが啞然として動けなくなる中、朔は琥珀を呼び出した。
 呼び出しの声に応じ、大きな身体を揺らして朔に近づく。

「凛にことが全て終わったことを伝えろ。それから全員帰還するようにと」

「く~ん」

 琥珀は鳴き声で返事をすると、朔のなでる手に一度すり寄って、宮廷から飛び出した。