一方、四人が凛の捕縛に向かったあとの宮廷では、朔が動き始めていた。
 朔のもとへは元老院が集まり、朔を責め立てていた。

「朔様! 一条家の【宝玉】を盗まれたというのは真実(まこと)ですか?」

「ああ」

「あれは一条家に伝わる由緒正しきもの。それを奪われるなどあってはならないものです」

「それに盗んだのは愁明家の(せがれ)というではないですか。今すぐ愁明家を処分すべきです」

 その言葉を聞いた朔がにやりと笑い、永遠(とわ)に合図をした。