結月と凛は一旦態勢を整えるため、一定の距離を保ち、動きを止める。
 しかし、刀と双剣の構えはやめない。

「ああ、忘れていました。結月さん、あなたは朱羅に連れてくるようにと言われていました」

「──っ!」

「だから、あなたにはまず戦闘不能になってもらいます」

「私に毒は聞きにくいですよ」

「ええ、知っています。ですから特別なものを調合しておきました」

「……」


 言葉を交わすのが終わると、再び結月と凛は刀を交える。
 今度は凛が結月の双剣を刀で受け止めると、そのまま結月の腕を掴み、自らに引き寄せた。

「──っ!」


 結月の唇には、凛の唇が重ねられていた。