言い終えると同時に凛は刀を抜き、イグの力を込めて瀬那に向かって攻撃を仕掛けにいく。
 瀬那はその攻撃に結界を張ることが間に合わなかった。

 しかし、瀬那が凛の攻撃に反応する前に、結月が凛と瀬那の間に割って入り、双剣で凛の刀を受け止めた。

「さすがですね、結月さん」

「凛さんの太刀筋は覚えています。凛さんを殺させないし、凛さんにみんなも殺させない」

「相変わらず甘いですね、あなたは」

「……」


 結月は双剣で凛の刀を押し戻す勢いで、自らの身体を一回転させてすばやく凛の懐に入り込む。

「──っ!」

 懐に入った結月は双剣で刀を弾き飛ばそうとするが、凛がそれを許さず、身を翻して避けた。


「結月ちゃん……凛さん……」

 瀬那の力ない声が蓮人と実桜の耳にも届く。