その時、木々に止まる鳥たちが一斉に飛び立った。
 異様な空気の変化に、結月たちは武器に手をかけて構えた。

「皆さんお揃いですね」

「──っ!」



 そこには凛がいた。

「凛さん……」

「もう気づいているのでしょう? 私が朱羅と手を組んで【宝玉】を盗んだこと」

「信じねえ! 凛さんがそんなことするはずねえ!」

 蓮人は叫んだ。

「蓮人、目の前の状況をよく見なさい」

 全員が凛の登場に困惑する中、結月は一歩凛に近づき、声をかけた。

「凛さん……私たちはあなたと闘うしかないのですか?」

「ええ、残念ながら、私はここであなたたちを殺します。そして、朔も殺す」

 瀬那が拳を握り締め、俯きながら低い声で言う。

「朔様は殺させねえよ、それに、あなたも殺さねえ。俺たちは捕縛して帰るんだ」

「やれるものならやってみなさいっ!」