結月は夢の中にいた。
 遠い遠い自分の幼かった頃の記憶。
 結月の父、千里は自分の娘の背の高さまで屈み、子供には重たい二つの刀を持たせて言った。

「結月。これは父様の大切なもの。そしてみんなを守る大事な大事なものなんだ」

「だいじなもの…?」

「そう。いつか結月のことも守ってくれるし、結月が大切にしたいものを守ることができる。何があっても手放さないこと。いいね?」

「……はいっ! ゆづき、たいせつにします!」

 千里は結月に微笑みかけた──