「凛様が【一条家の宝玉】を盗み、逃走しました」


 結月は、状況が呑み込めていなかった。
 しかし、朔はすぐさま察し、立ち上がる。

「瀬那たちを金翠の間へ呼べ」

「かしこまりました」

「朔様っ?」

「お前も来い」

「──っ! はい」

 朔は部屋を出ると、金翠の間へと向かう。
 結月も遅れないように後を追った──