凛が朔の傷ついた腕を狙ったところを見逃さず、朔は自分の腕を犠牲にして凛のみぞおちを小刀の頭で打った。

「ぐっ!」

 凛はうめき声と共にその場に倒れた。


 朔はそのまま倒れた凛を見下ろす。
 凛は仰向けになったまま、顔に腕を持っていき、顔を覆う。


「やっぱ叶わないのかよ……」

「今日は危なかった」

「慰めはいい」

「慰めではない」


 朔は凛の隣に座り、言葉を紡ぐ。
 静かになった竹藪だが、二人の激闘の末、荒れ果てている。