一方、同じく宴会を終えた朔の部屋には凛がいた。

「入っていいといっていない」

「まあね、確かに許可はされていない」

「なんだ」

「結月」

 その言葉にぴくりと肩を揺らす朔。

「君は結月のことが好きなんだろ?」

 凛の問いかけに何も答えようとしない朔。

「その想いを断ち切らせてあげるよ」

 凛は朔に近づくと、耳元で言葉を囁いた。


「明日夜、あの場所で待ってる」


 凛は朔に告げると、そのまま部屋を去っていった。

「……」

 凛の言葉に朔は覚悟を決めたのだった。