──翌日。


「結月様」

「美羽。どうしたの?」

 ふすまのむこうから美羽が声をかけていた。

「凛様がお見えです」

「通してもらえる?」

「かしこまりました」

 永遠(とわ)と美羽、そして守り人は結月と凛が恋仲になったことを知った。
 もちろん、朔も同様だった。

「結月さん、会いたかった」

「──っ!」

 まっすぐに感情をぶつける凛に結月は俯き、照れた。
 しかし、凛がそれを許さなかった。

 凛は結月に近づくと、そのまま顎を上向きにさせて結月と自分の視線を合わせる。
 結月のより赤くなる顔を見て、可愛いと言いながら凛は微笑む。

「結月さん、お出かけしませんか?」

「え? はい、大丈夫ですが……どちらに?」

「内緒です」

 凛は自らの唇の前で人差し指を立てて言った。