結月は珍しく一人、縁側で月を眺めながら座って考え事に耽っていた。

(凛さんと恋仲……)

 凛のことを想い、結月は胸が苦しくなった。

(凛さんはいつも優しい。けど、時々荒々しい。あれが本来の凛さん?)

 胸を押さえて、着物の衿(えり)を握る。