「両方です」

「そうですか。私の話を聞いてくださいますか?」

「はい」

「私があなたを好きな気持ちは変わりません。本音は今もあなたを求めてやまない」

「……凛さん。私はあの夜、朔様に凛さんが好きだと言いました」

「──っ!」

「朔様を今すぐ忘れることはできません。私の中で初恋の人だから……」

 凛は机ごしに結月の頬に手を当てる。

「今は構いません。朔を好きでも。徐々に私が忘れさせてみせます」

「凛さん……私はずるいことを……」

「構いません。私はあなたの傍にいて支えたい。支えさせてください」

 結月は凛の想いに応える決心を固めた。