結月の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
 朔への気持ちと凛からの気持ちで悩み、妖魔退治の任務がおろそかになっていた。

「くっ!」

 今夜も妖魔退治にでかけていたが、結月は本領を発揮することができずにいた。

「結月ちゃん!」

 妖魔の爪で腕を切り裂かれた結月を心配する瀬那。
 急ぎ結界を張りに結月のもとへと向かう。

 瀬那は結月のもとに到着すると、すぐさま結界を張った。
 結界に弾かれるように妖魔は飛ばされ、木にぶつかる。

「……」

 結月の怪我を気遣った瀬那が、結界を解除して妖魔に切りかかった。
 妖魔は瀬那の刀の攻撃で灰になって崩れ落ちる。

 妖魔の襲撃対処を終えた結月と瀬那は一息つくが、結月の顔は曇ったままだった。