──数刻前。

 結月は看病のため、朔の部屋を訪れようとしていた。

(だいぶ朔様の容態も落ち着かれたし、今日はこの痛み止めの薬を……ん?)

 結月が朔の自室のふすまを見ると、少し開いていた。
 不思議に思った結月は近くいき、中を覗く。


「──っ!」

 朔の傍に侍女が一人おり、そしてそのまま朔と侍女は口づけをしていた。
 結月はすぐさま朔の自室から離れると、廊下を走って戻る。