「結月様っ!!」

 結月は一目散に朔の自室へと向かった。


(朔様っ!)


 自室のふすまを開けると、そこには布団に伏せる朔の姿があった。

「朔様……」

 結月は膝を折り、朔へと近づく。
 包帯だらけの痛々しい姿に、結月は朔を失う恐怖を覚えた。

 頬をなでるが、全く反応がない朔。

 すると、結月の頬に一筋の涙が流れた。

「目を開けてください……お願いです……」

 唇を震わせ、言葉につまりながら発する結月。

 その姿を、凛が唇を噛みながら見つめていた──