「結月様っ!!」

「永遠(とわ)! 美羽!」

 永遠(とわ)と美羽が駆け寄る。

「朱羅は?!」

「消えたようです」

「──っ!」

 結月はそこで初めて朱羅の気配が宮廷から消えていることに気が付いた。
 あまりに必死で宮廷へと急ぎ、また過去のことに気を取られ、気配の消失に気づけなかった。

「それよりも、朔様が……」

「朔様がどうしたの?!」

「……重傷で意識がございません」

「──っ!」

 結月は心臓が飛び出る思いだった。
 どこかで朔は無事だと過信していた。