結月は宮廷への道を急いでいた。

(朱羅がついに現れた……。お父様、お母様……仇が討てる)

 宮廷へと続く森の中で、結月は駆けながら想い馳せる。
 結月の中で忘れてきた『あの日』の記憶がよみがえる。