「──っ!」


 それを許さないかのように、凛はイグの力を込め、朱羅の右腹部を刀で貫いた。

「終わりだ、朱羅」


 その瞬間、妖気が部屋に立ち込め、魁(かい)が現れた。
 魁(かい)は凛に妖気の塊を放ち、攻撃をすると、朱羅を抱えて妖気の渦へと消えていく。

「待て!」

 凛が追いかけようとする後ろで、何かが倒れる音がした。

「──っ! 朔っ!!」

 朔は右肩の負傷での失血で、気を失った──