「ガキ?」

「いや、こいつ、宮廷で見たことがある。確か……宮様の息子の……」

「宮様のだと?! なんでこんなところにいるんだ?!」

「まさか今の話も聞いて……」

「ああ。聞いていた。このことは宮様に報告させてもらう」

 凛もようやく布をめくりあげ、朔と男たちの間に入り、朔を守ろうとする。

「朔様、お下がりください」

「聞かれちゃまずいな、ご子息。おとなしく死にやがれえええー!!」

 朔と凛へ、男が刀を振り上げて襲ってきた──