「朔様!」

「なんだ」

「今からでも遅くはありません。戻りましょう」

「また、それか。俺は一条家の暮らしが退屈になった。外の世界を見たい」

「では、こうしましょう。宮廷の裏門を知っています。そこから物資の荷車が毎日出ており、その時間がもうすぐです。その荷車に隠れて外にいきましょう」

「どうした? やる気になったのか?」

「違います。少しの間外に出れば朔様のお気が晴れるかと思いまして」

 朔は怪訝そうな顔をして凛を見つめる。

「まあ、今日は少しでも構わん。いくぞ」

「はい!」

 朔と凛は裏門へと駆けだした。