朔は徐々に憤怒する朱羅に力で圧されていた。
 単純な攻撃でありながら、生物の弱点、相手の弱っている箇所を的確に狙って攻撃をしかけてくる朱羅。

「──っ」

 太刀を振るう右腕を執拗に攻撃され、深手を負っている上に、攻撃の手数で負けている今、朔は普段通りの攻撃ができないでいた。

「どうしたあ?! 右腕が死んでるぞ? もう終わりか?」

 朱羅は、攻撃の手を緩めない。

「少しは黙ったらどうだ」

 朔は太刀にイグの力を込め、波動で朱羅を押し退ける。
 すかさず、太刀を左腕に持ち替え、一瞬態勢を崩した朱羅に切りかかる。

 朔の太刀は朱羅の右肩を切り、その攻撃により一瞬動きが弱まる朱羅。
 しかし、その攻撃は朱羅の逆鱗に触れた。

「あの時と同じ……お前の親父も俺の右肩を狙ってきた。全く、とことん嫌な親子だなあ!!!」

 朱羅の波動のような斬撃が朔に向かってくる。