朱羅は戦闘の最中、昔の頃を思い出していた。

(あの時が永遠に続くと思っていた)

 変化させた太刀を振るう朔の攻撃が朱羅の頬をかすめる。

(俺が甘かったんだ。あいつらを信用した……千里や時哉を信用した俺が……)

 臙脂(えんじ)色に光る刃が今度は朔の頬をかすめる。

(あいつらのせいで……あいつらのせいで……)

 朔は表情を変えることなく、金色に光る太刀を振るい朱羅の右腕を攻撃する。
 朱羅は痛みを感じていないがごとく、朔に細く鋭い刀を振るう。