朔と朱羅は再び激しく刃を交えていた。
 しかし、じわじわと朔が圧されていく。

「大した事ねえな! お前も……お前の親父もっ!」

 朱羅は左手にもった刀を大きく振り下ろした。
 その刀は真正面から朔を襲う。
 
 朱羅の刀は赤く染まり、血が滴り落ちる。
 その血を舐めると、にやりと朔に向かって笑った。

「あの日の味と同じ……お前の中にも醜いあいつらと同じ血が流れているんだよ」

「……」

 朔は何も言わず、太刀を持つ右腕の傷を押さえていた。