「お蔭様で俺は15歳で当主になった。それだけだ」

「無理しちゃって、可哀そうだな」

「お前に可哀そうだと思われる筋合いはない」

「そりゃそうか、だってお前の親父を殺したのはこのお……」

 朱羅が言葉を言い終える前に、朔は切りかかっていた。
 その攻撃を避けると、朱羅は朔に向かいなおす。

「あ、ぶねえな。いきなり切りかかんじゃねぇよ」

「……」

 朔は右手に持った太刀を振り上げ、朱羅に向かって攻撃を放つ。
 三日月型をした斬撃は、朱羅に到達するが、それを朱羅は余裕の面持ちで振り払う。


 大きな炎のような殺意をまとう、朱羅。
 静かな泉のような殺意をまとう、朔。

 両者の間で、消して交わることのない激流がぶつかっていた──