朱羅が自身の顎に手をやって、言葉を紡ぐ。
 
「少しは骨がありそうだな」

「……」

 朱羅の言葉に、無言の朔。


「さすが、時哉(ときや)の息子か。ああ……時哉は強かったなぁ……」

 父親の名を出された朔は、一気に怒気を含んだ表情になった。
 と、同時に凛も同じく朱羅を鋭くにらんだ。

 朱羅が思い出したかのように、告げた。



「まあ、その時哉もこの俺が殺したんだけどな」



 感情の渦が空間を埋め尽くした──