「──っ!」

 今まで結月と実桜から逃げていた妖魔の身体は突然霧のように消え、持っていた鏡が割れて屋敷の床に音を立てて落ちた。
 それと同時に結月と実桜が探していた人物たちが姿を現した。


「瀬那さん! 蓮人くん!」

 結月が朽ちた屋敷の部屋に、消えた妖魔と入れ替わるように現れた二人に声をかける。

「結月っ! それに実桜さんも」

「二人とも無事だったか……」

 安心したように言葉を漏らした実桜。
 結月の後を追って、姿を消していた二人のもとに近づく。

「やっぱ、全部幻だったのか……」

「何があったんですか?」

 瀬那と蓮人は一部始終を結月と実桜に話した──