「たくっ!んだよ、お前なんだったら早く言えよ」

「んなの、できてたらするっつーの!」


 瀬那と蓮人は互いに憎まれ口をたたきながら、刃をそっと下ろす。

「てか、なんだ? つまり俺ら幻見せられて、つぶし合いさせられてたってのか?」

「ああ、そうみてぇだな」

 すると、微かな妖魔の気配に瀬那と蓮人が再び戦闘態勢をとる。
 ゆらゆらと現れたのは、幻を見る前に目撃した男の霊──妖魔だった。

「あいつを倒せば……」

「ここから抜けられるってのか?」

 瀬那と蓮人は顔を見合わせて頷くと、人間の男の姿をした妖魔に向かい、駆けだした──