瀬那は、はっと目を見開くと、目の前の敵からの攻撃に受け身を取る。

(嫌なこと思い出しちまった……)

 瀬那が突如昔の記憶を思い出したのには理由(わけ)があった。

「くっ……! その姿……」

 敵が自らの父親の姿をしていたのだ。

「今見るだけでも反吐が出るぜ……」

 瀬那は結界を張り、態勢を整えると、その結界を打ち壊してそのまま敵に刀を打ち込む。
 敵はひらりとその攻撃を避けると、同じく刀て瀬那に斬りかかる。

「ったく、気持ち悪い幻想見せてくれるぜ……」

 瀬那は父親の姿をした敵を目の前に、昔の記憶を呼び覚まされ、攻撃が鈍っていた。
 と同時に、冷静さを保とうとはしているが、父親への恨みで頭に血が上っていた。