「瀬那と蓮人の気配が消えたのですよ? 私には彼らを守る責務が……」

「お前は信じていないだけだ」

「え……?」

「お前はあいつらを信じられず、さらに自らの職務を忘れている。お前の仕事はなんだ? 部下の心配か? 指揮官が己を失ってどうする」

「──っ!」

 朔の言葉に目を見開き、言葉を失う凛。
 凛は朔の言葉が痛いほど自分に突き刺さった。

(部下を信じれない……。私は信じていなかっただけ、あの子たちを……)

 凛は指揮官としての未熟さを痛感していた。
 自らの指揮のせいで傷を負わせてしまったと、まだ心のどこかで思ってしまっていた。
 結果、それが部下を信じる気持ちを失わせてしまった。

(朔の言う通り……。私は部下を信じていなかった……)

 黙り込む凛に、一つため息をつくと、朔は声をかけた。