瀬那と蓮人が屋敷の調査に向かっていた頃と同じくして、結月と実桜は街の巡回に出ていた。

「小さな妖魔の出現くらいで、特に大きな異変はなさそうですね」

「そうですね」

 結月と実桜は普段通りの巡回を終えて、宮廷に戻ろうとしていた。

 その時、凛の式神が結月と実桜のもとに降り立った。
 式神は童(わらべ)の様相をしており、そこに表情はない。

「実桜さん」

「はい、凛さんからの伝言ですね」



『セナ、レント、ケハイショウシツ。イソギ、ヒガシノヤシキヘムカワレタシ』