「今のところはその『霊』とやらはいないようだな」

「火の玉も見えねぇ」

「とりあえず、屋敷のまわりから調査進めていくか」

「おう」

 相談した結果、屋敷を右回りに、蓮人が左回りに見て回ることにした。

 同時に瀬那と蓮人が屋敷の庭と外周を中心に、見て回る。


 しばらく見回っていると、瀬那と蓮人が再び屋敷の裏口辺りで合流した。

「なんか異変あったか?」

「いや、何も」

 二人は念入りに確認をしたが、ひとまず庭や屋敷周りと外から軽く屋敷の中を見る分には、何も異常はなかった。

「じゃあ、本格的に中見てみるか」

 瀬那がそういうと、ゆっくりと二人は屋敷の中に足を踏み入れた。
 二人が歩くたびに、床が悲鳴をあげる。

「武家屋敷……か?」

「ああ、刀も鎧もある、小さめだが武器倉庫もあるな」

 各部屋をくまなく調査していく。