夜──

「霊か……」

「なんだ? 怖いのか?」

 瀬那が顔を歪めながら歩く蓮人に、からかうように話しかける。
 二人は昼間の会合で指示された、西の森の屋敷に向かっていた。

「怖くねえっての!」

「ほお~?」

 にやにやとしながら、蓮人を覗き込む瀬那。

「こっちみんなよ気持ちわりぃ」

「気持ち悪いってひどいっしょ」

 このような掛け合いも二人にとっては日常茶飯事。
 仲がいいのか、悪いのか……。
 守り人たち一条家の人間を含めた大半は、この口喧嘩を温かい気持ちで見守っていることを二人は知らない。

 そうして口喧嘩をしているうちに屋敷に到着した。
 今は使われてないというだけあり、木の老朽化が激しい。
 屋敷の部屋のところどころは屋根から崩れ落ちている。