「いつもの街の巡回は結月さんと実桜でお願いします」

「「はい」」

「それでは、朔様からは何かございますか?」

「ない」

「かしこまりました」

「先に出る」

 一条家の会議に出席するために、朔はその場を後にする。

「それでは、本日の会合はこれで終了です。皆様、各自よろしくお願いしますね」

 皆それぞれに凛に返答をする。
 そしてそのまま、各自の【表の仕事】へと向かった──



 皆いなくなった部屋で凛は一人つぶやいた。

「何か嫌な予感がしますね」

 この予感は的中し、すでに物事は動き始めていた──