高熱から回復した結月は、朔の自室へと向かっていた。

(結局丸三日も寝込んでしまった……。朔様に謝罪をしなければ……)

 結月は朔の自室のふすま前で、朔に呼びかける。

「朔様、結月でございます。三日間任務に穴をあけてしまった謝罪にまいりました」


 少し待ってもふすまのむこうから返事はなかった。
 朔が言葉数少ないのは珍しいことではないが、最近は返事はしてくれるようになった。
 それゆえに、結月は首を傾げ、少し考えを巡らせた後、ゆっくりとふすまを開いた。


「失礼します……」