次の日、登校すると高野くんはいなかった。
先生によると休みだそうだ。
クラスの人は、滅多に休まない高野くんが休んだことにとてもざわついていた。

その日は何をやっても上の空で、世界が色を失くしたようだった。
そんなこんなで放課後になり、私はいつものように音楽室へと足を向けた。
音楽室につくと、扉を開け演奏し始めた。
だが、そこに感情をのせることは出来なかった。
いるはずもないのについ、高野くんが座っていた場所を見てしまう。

後悔はしていないはずなのに、高野くんがいなくてこんなに苦しいなんて。
想像以上に、高野くんは私の中でかけがえのない存在になってしまっていたのだ。

ああ、どうしよう。
後戻り出来ないくらい好きになっちゃってたんだ。
ほんとに、ごめんなさい。ごめんなさい。
君を突き放したのにこんな自分勝手な私を許してください。君が、好きでたまらないんです。

「うっ。ぐすっ。高野、くん。
ごめ、んね。ごめ、んね。
会いたいよ、、、、、、、。」

「そうか。それは嬉しいな。」

「っ!?」

「どうした、そんな驚いた顔して。
俺に、泣くほど会いたかったんだろう?」


顔を恐る恐る上げると、
そこには、いないはずの高野くんがいた。