「すまない。音楽室から情熱的な音楽が聴こえてきたからついな。」

「そ、そうなんだ、、。」

私はコミュニケーションが得意ではない。
こういう時、なんて話せばいいのか分からない。

「でも、情熱的だけど切ない音楽だった。」

やっぱ、分かっちゃうよね。君には。

「ねえ、高野くんはこれを聴いて何を思った?」

何気なく質問してみたくなった。
そう、これはただの気まぐれ。

「俺は嬉しくて、悲しくて、感動して、やるせなくなった。」

どういう意味だろう。まったく分からない。
だけど、やっぱり君も、、、。

「そっか。」

精一杯の笑顔で笑ってみせた。


たったそれだけの会話。
でも、それから高野くんは毎日私の音楽を聴きにきた。