それから五ヶ月が過ぎた頃、
今度はお腹のエコー写真が送られてく来た。

 明美「順調に育ってます」

 事務所に聞いたが交渉は難航して上手くいってないようだった。

 10ヶ月を過ぎると、とうとう赤ちゃんの写真が送られて来た。

 明美「女の子です。パパが居なくても無事に出産しました」

 湊は天を見上げた。

 下ろすのではないかと言う淡い期待は見事に打ち砕かれた。

 女性を妊娠させたと言うスキャンダル。

 雑誌の表紙に自分の写真が載ることを想像して頭を抱えた。

「終わった‥」

 今回という今回は事務所の力も役に立たなかったようだ。

 続けて着信音が鳴った。

 明美「名前はあなたにつけて欲しいの」

 こうなってしまったからにはもう遅い。

 いつ結婚を発表するかと言う話になった。

 事務所の社長が別宅を貸してくれた。

 とりあえず二人はそこで住む事になり、
社長が結婚発表のタイミングを決める事になった。

 この秘密の関係は湊、明美、社長しか知らないはずだった。

 あの事件が起こるまではそう思っていた。