――皆は少しずつ変わっていた。


 髪の短かった千夏は髪を伸ばしてポニーテールにしているし、藍佳は身長が伸びて、学生時代同じくらいの背丈だった千夏とは今では十センチ以上差がある。

友稀先輩は学生時代掛けていた黒縁眼鏡を、コンタクトに変えていた。


 でも、約束だけは、変わらなかった。


 皆に、変わらないで、と願ったことがある。

不変を望むのは、人間の本能だと以前何かの本で読んだ。


 変わらないで、と変わらないことを約束するんじゃない。

約束が、変わってしまわないように――その約束を、いつまでも大切にすると約束しよう。