昔から表立って動くのが苦手だった。
中学に入学したての頃、グループごとに意見をとりまとめて発表する授業があったけど、不本意ながらリーダーに決まって焦ってしまい、誰の意見もまとめられなかったことがある。
ただ一つ、今と違うことがあるとするならば、あの頃の自分は絶対的な自信を持ち、無意味に張り切っていたことだろう。だってリーダーなんて肩書、かっこいいじゃん。
――それでも、誰かの話を聞いたところで何も出来なかった。
グループごとの発表の時、自分の出番を終えてホッと気を抜いた途端に後ろから「浅野って、なんでそんなに粋がってるんだろうな」と、グループの誰かがボソッと言ったのが今でも頭の中でぐるぐると渦巻いていた。忘れたくても忘れられない、空回りするだけのつまらない過去の記憶は、どれだけ些細なことでもにふとした時に思い出してしまう。
それからの私は、自分から進んで前に出ようとはしなかった。中学最後の年に頼まれた生徒会の役員決めでも一度は断った。二年連続で入っていた生徒会でもあったし、他に誰もいなかったことから最終的に引き受けたけど、内申点を上げるためだと自分に言い聞かせてきた。
自分が一人で突っ走らないように、周りに合わせるように。
前に出て誰かを困らせるようなら、陰口を叩かれるくらいなら私は黙っていた方が良いと思った。誰も傷つかないほうが幸せでしょうって、誰かの嫌味を聞くたびに無理やり口角を上げることを選んだ。
中学に入学したての頃、グループごとに意見をとりまとめて発表する授業があったけど、不本意ながらリーダーに決まって焦ってしまい、誰の意見もまとめられなかったことがある。
ただ一つ、今と違うことがあるとするならば、あの頃の自分は絶対的な自信を持ち、無意味に張り切っていたことだろう。だってリーダーなんて肩書、かっこいいじゃん。
――それでも、誰かの話を聞いたところで何も出来なかった。
グループごとの発表の時、自分の出番を終えてホッと気を抜いた途端に後ろから「浅野って、なんでそんなに粋がってるんだろうな」と、グループの誰かがボソッと言ったのが今でも頭の中でぐるぐると渦巻いていた。忘れたくても忘れられない、空回りするだけのつまらない過去の記憶は、どれだけ些細なことでもにふとした時に思い出してしまう。
それからの私は、自分から進んで前に出ようとはしなかった。中学最後の年に頼まれた生徒会の役員決めでも一度は断った。二年連続で入っていた生徒会でもあったし、他に誰もいなかったことから最終的に引き受けたけど、内申点を上げるためだと自分に言い聞かせてきた。
自分が一人で突っ走らないように、周りに合わせるように。
前に出て誰かを困らせるようなら、陰口を叩かれるくらいなら私は黙っていた方が良いと思った。誰も傷つかないほうが幸せでしょうって、誰かの嫌味を聞くたびに無理やり口角を上げることを選んだ。