* * *
「なんだ、このカビ臭い遺跡は。お前らなにか知っているか?」
私はようやく見つけた屋根のある建物に入り、くたびれた身体を休めた。
入り口に結界を張ったから、魔物は入ってこられないはずだ。ここまで散々迷って、森の中をさまよい歩き私たち三人は体力の限界だったのだ。せめて安全な場所で休みたかった。
「さあ? 聞いたことないっすね」
「私もわかりません。今いる場所がわかれば、なにか思いつくのですが……」
「はあ、まあよい。明日の朝にはここを立って、街まで行くぞ。もう日も暮れてきたから、さっさと食事をとって休むのだ」
ウカリに食事を用意するように促して、私は一息ついた。
本当にクラウスのせいで散々な目にあった。この魔導士団長である私が、このようなカビ臭い遺跡で野宿するとは……もういっそクラウスなどセントフォリアにいって戻ってこなければよいのだ。
セントフォリアの聖女相手ならうちの国王もゴリ押しできまい。
そうか、そうだな。セントフォリアでも魔皇帝がどうのといって、えらく担ぎ上げられていたではないか。これを上手いこと報告すれば、聖女相手ならしかたないと、国王もわかってくれるのではないか!?
よし、ここを出たら、すぐにウッドヴィルへ戻って、そう報告しよう!
落ち着いて考えることができて、今後の方針を決めた私は上機嫌で夕食をたいらげた。いつもは味気ない携帯食料だったが、今回は気分がいいせいか味もよく感じる。
国に戻れば暖かい寝床と食事、それにずっといけていない娼館にも顔を出さなければ。戻ったら忙しくなるな。
「あー、早く帰って腹一杯食いたい……」
「私は暖かいスープが飲みたいです……はあ」
ウカリが途中で見つけた果実を食べようとして、うっかり落としてしまった。運の悪いことに丸い果実はそのままコロコロと転がって、遺跡の奥の方へ転がっていってしまう。
携帯用の食料もつきかけていて、こういった果実で飢えを凌いでいる。普段ならそのまま捨てておくのに、今はその果実一個でも貴重な食料だった。
「ああ……すみません、取ってきます」
「さっさと戻ってくるのだぞ! 魔物にでも見つかったらたまらんからな!」
余計なことをして、眠れる魔物を目覚めさせては大変だ。それなのにウカリといったら、凡ミスが多すぎるのだ。
イライラしたものの、すぐに戻ってくるはずだとそのまま横になった。
「……団長、ウカリが戻ってこないっすね」
「うん? 何だ、どうして戻ってこないのだ?」
「さあ? またうっかりミスしたんじゃないっすか?」
「ったく! テキトン、お前が見てくるのだ!」
私はもうクタクタだったし、こういう仕事は下っ端がするものだ。
テキトンはイヤそうな顔をしながらも、ウカリが進んだ方へと足をすすめていった。
どれくらい時間が経っただろうか。テキトンもそうだが、ウカリが消えてからだと三十分くらいになるのではないか?
たかだか果実ひとつ拾うのに、そんなに時間がかかるものだろうか?
まさか、あいつら魔物に襲われでもしたのか? いや、それなら仮にも魔導士団の副団長たちだ。戦闘の気配がするはずだ。
待てよ、逆になにか宝箱でも見つけたのか? だから私に言わずにふたりで山分けしているのか!?
「まったくアイツらときたら、けしからん!!」
私は怒り狂いながら、遺跡の奥へと向かった。
明かりはなく、真っ暗だ。さっきから炎魔法を使おうとしているのに、掻き消えてしまう。暗がりの中をゆっくりと一歩一歩進んでいった。
「……だ……て……い!」
「ち……これ……お……った」
わずかだが、声が聞こえてきた。どうやらテキトンとウカリはかなり奥まで進んだようだ。暗くて足元がよく見えないが、ふたりが近くにいると思い一歩が大きくなった。
ズンズン進んでいくと、何歩目かで床がなくなっていた。
「のわあああああ!!!!」
勢いよく踏み外した足はそのまま床下へ落ちてゆき、私の体も引きずられるように真っ暗闇の空間に飲まれる。
本数秒後には斜めになっている床に、背中から落ちてしまった。ツルツルと滑って、掴んでも落ちていく体はとまらない。なす術なく最終到達地点についてしまった。
「いだっ!」
勢いのついたまま地面に放り出されて、痛さに動けないでいると聞き慣れた声が耳に届いた。
「団長! うわー、団長も落ちてきちゃったんすか」
「なんていうことでしょう、これでは上がれないですね」
「なっ……お前たちも落ちてきたのか!?」
私はあちこちぶつけて痛む体をなんとか起こして、辺りを見回した。
巨大な空間はなにもなく、太い柱が天井を支えるように等間隔で並んでいる。目を凝らして見てみると、この部屋の奥が淡く光っていた。
近づいてみると、巨大な丸の中に文字や記号のようなものがびっちりと書き込まれていて、魔力が流れているようだった。
「なんだこれは? これはなにをする物なのだ?」
「ふむ、清廉な魔力を感じるので、悪い物ではないでしょう。ここはもともと神殿のようですし、なにか神に対しての儀式に使うものかもしれませんね」
こういうときのウカリはなかなか頼りになる。赤魔導士の副団長だけあって、知識量は抜群だ。
「それより、ここからどうやって出るんすか? さっきの滑り台以外に入り口も出口もないっすよ」
「なんだと!? それではここから出られんではないか!」
「だから団長に助けを求めてたんすよ」
「助けもなにも聞こえてこなかったぞ!」
あれではとても助けを呼んでいたとは思えんだろう!
まったくコイツらを連れてきたのが失敗だっただろうか。だが、これも国王の命令だったししかたない。
まったく国王はなにを考えているのか、さっぱりわからんな。
「あ、あそこから出られないすか?」
上を見上げたテキトンが、天井に向かって指を刺している。
よくよく見ると、この白い模様のちょうど真上にキラキラと光る星が見えた。そうだ星だ。ここから外に繋がっているのだ。
「うーん、ちょっと距離がありますね。テキトンの風魔法でいけそうですか? なんなら補助魔法もかけますよ」
「うん、大丈夫。いけると思うけど、補助魔法も頼む」
「よし、それならバラバラにならないように、なにかで縛るのだ!」
それぞれのローブを切り裂いて、細長い紐にして腹に括りつけた。これで風魔法で飛ばされそうになっても安心だ。
ウカリが補助魔法をかけてテキトンが風魔法を放った。
「ツイントルネード!」
テキトンの放った魔法は私たちを巻き上げて、たしかに天井の近くまで押し上げた。だがわずかに及ばす地面に叩きつけられる。
「ぐへぇっ!」
「うぎゃっ!!」
「ぐわっ!!」
私の上にテキトンとウカリが落ちてきて、一瞬息ができなかった。
「テキトン、今のはなんなのだ! もっと魔力を込めんか!!」
「えー、魔力込めすぎたら危ないけどいいんすか?」
「構わんからやれっ!」
ウカリが治癒魔法をかけたあと、もう一度テキトンの風魔法で脱出を試みる。
「トリプルトルネード!!」
先ほどの風魔法の二倍はありそうな威力で、私たちを巻き込んだ風魔法は威力が強すぎて遺跡の柱を壊して三人はバラバラに飛ばされた。
「ぐはっ!」
「うぐっ!!」
「どわっ!!」
ダメだ……! コイツらに任せていては、いつまで経ってもここから脱出できん!!
「ぐふっ……はぁ、はぁ、テキトンは、もうよい……私が、やる」
結構なダメージをウカリに回復させて、あらためて風魔法を使うことにした。魔物もいないので、魔力の回復のために仮眠を取ってから試す。これでも魔導士団の団長なのだ、風魔法くらい操るのは簡単だ。
「トルネードバーン!!」
私は思いっ切り魔力を込めて、風魔法を放った。荒れ狂う風が巨大空間をかき回して、私たちを巻き上げる。
下からの強い突風が私たちを強力に押し上げた。
息もできないほどの強風に、柱は倒れ天井が崩れ落ちてくる。それによって出口が広がり、私たちはついに外に脱出できた。
「やったぞ! 外に出たぞ!!」
風魔法で少し飛ばされてしまったが、なんとか着地することができた。
振り返ると、私の風魔法で遺跡はバラバラと崩れ去っていく。まあ、こんな辺鄙なところにある遺跡だ。壊れたところでなんの問題もないだろう。
そんなことよりも、もう夜明けの時間なのに驚いた。魔法がうまくいかず、かなり時間を使ってしまったようだ。
「団長やりましたね! 遺跡はグチャグチャになったっすけど」
「団長のおかげで、外に出られました! ……うん? あれはなんでしょう?」
歓喜に染まる私はウカリの言葉に遺跡を振り返った。
崩れ落ちた遺跡から黒い霧が出てきて、空に広がってゆく。
私はそれを見て体中に鳥肌がたった。ブルブルと体が震え腰が抜けそうになる。
なんだこれは! なんなのだこれは!? こんな邪悪な気配は初めてだ!! 魔物なんてかわいいものだ、あのキングミノタウロスだって、これから見たら赤子のようではないか!!
ウカリとテキトンも、これが只者ではないと理解したのか青い顔をして震えていた。
「逃げるぞ……ここにいたらダメだ、逃げるぞ!!!!」
私たちは振り返ることなく、遺跡から逃げ出した。向かうはウッドヴィルだ。回復魔法と補助魔法で休まずに走り続けた。
もうなにも考えずにとにかく帰りたかった。
「なんだ、このカビ臭い遺跡は。お前らなにか知っているか?」
私はようやく見つけた屋根のある建物に入り、くたびれた身体を休めた。
入り口に結界を張ったから、魔物は入ってこられないはずだ。ここまで散々迷って、森の中をさまよい歩き私たち三人は体力の限界だったのだ。せめて安全な場所で休みたかった。
「さあ? 聞いたことないっすね」
「私もわかりません。今いる場所がわかれば、なにか思いつくのですが……」
「はあ、まあよい。明日の朝にはここを立って、街まで行くぞ。もう日も暮れてきたから、さっさと食事をとって休むのだ」
ウカリに食事を用意するように促して、私は一息ついた。
本当にクラウスのせいで散々な目にあった。この魔導士団長である私が、このようなカビ臭い遺跡で野宿するとは……もういっそクラウスなどセントフォリアにいって戻ってこなければよいのだ。
セントフォリアの聖女相手ならうちの国王もゴリ押しできまい。
そうか、そうだな。セントフォリアでも魔皇帝がどうのといって、えらく担ぎ上げられていたではないか。これを上手いこと報告すれば、聖女相手ならしかたないと、国王もわかってくれるのではないか!?
よし、ここを出たら、すぐにウッドヴィルへ戻って、そう報告しよう!
落ち着いて考えることができて、今後の方針を決めた私は上機嫌で夕食をたいらげた。いつもは味気ない携帯食料だったが、今回は気分がいいせいか味もよく感じる。
国に戻れば暖かい寝床と食事、それにずっといけていない娼館にも顔を出さなければ。戻ったら忙しくなるな。
「あー、早く帰って腹一杯食いたい……」
「私は暖かいスープが飲みたいです……はあ」
ウカリが途中で見つけた果実を食べようとして、うっかり落としてしまった。運の悪いことに丸い果実はそのままコロコロと転がって、遺跡の奥の方へ転がっていってしまう。
携帯用の食料もつきかけていて、こういった果実で飢えを凌いでいる。普段ならそのまま捨てておくのに、今はその果実一個でも貴重な食料だった。
「ああ……すみません、取ってきます」
「さっさと戻ってくるのだぞ! 魔物にでも見つかったらたまらんからな!」
余計なことをして、眠れる魔物を目覚めさせては大変だ。それなのにウカリといったら、凡ミスが多すぎるのだ。
イライラしたものの、すぐに戻ってくるはずだとそのまま横になった。
「……団長、ウカリが戻ってこないっすね」
「うん? 何だ、どうして戻ってこないのだ?」
「さあ? またうっかりミスしたんじゃないっすか?」
「ったく! テキトン、お前が見てくるのだ!」
私はもうクタクタだったし、こういう仕事は下っ端がするものだ。
テキトンはイヤそうな顔をしながらも、ウカリが進んだ方へと足をすすめていった。
どれくらい時間が経っただろうか。テキトンもそうだが、ウカリが消えてからだと三十分くらいになるのではないか?
たかだか果実ひとつ拾うのに、そんなに時間がかかるものだろうか?
まさか、あいつら魔物に襲われでもしたのか? いや、それなら仮にも魔導士団の副団長たちだ。戦闘の気配がするはずだ。
待てよ、逆になにか宝箱でも見つけたのか? だから私に言わずにふたりで山分けしているのか!?
「まったくアイツらときたら、けしからん!!」
私は怒り狂いながら、遺跡の奥へと向かった。
明かりはなく、真っ暗だ。さっきから炎魔法を使おうとしているのに、掻き消えてしまう。暗がりの中をゆっくりと一歩一歩進んでいった。
「……だ……て……い!」
「ち……これ……お……った」
わずかだが、声が聞こえてきた。どうやらテキトンとウカリはかなり奥まで進んだようだ。暗くて足元がよく見えないが、ふたりが近くにいると思い一歩が大きくなった。
ズンズン進んでいくと、何歩目かで床がなくなっていた。
「のわあああああ!!!!」
勢いよく踏み外した足はそのまま床下へ落ちてゆき、私の体も引きずられるように真っ暗闇の空間に飲まれる。
本数秒後には斜めになっている床に、背中から落ちてしまった。ツルツルと滑って、掴んでも落ちていく体はとまらない。なす術なく最終到達地点についてしまった。
「いだっ!」
勢いのついたまま地面に放り出されて、痛さに動けないでいると聞き慣れた声が耳に届いた。
「団長! うわー、団長も落ちてきちゃったんすか」
「なんていうことでしょう、これでは上がれないですね」
「なっ……お前たちも落ちてきたのか!?」
私はあちこちぶつけて痛む体をなんとか起こして、辺りを見回した。
巨大な空間はなにもなく、太い柱が天井を支えるように等間隔で並んでいる。目を凝らして見てみると、この部屋の奥が淡く光っていた。
近づいてみると、巨大な丸の中に文字や記号のようなものがびっちりと書き込まれていて、魔力が流れているようだった。
「なんだこれは? これはなにをする物なのだ?」
「ふむ、清廉な魔力を感じるので、悪い物ではないでしょう。ここはもともと神殿のようですし、なにか神に対しての儀式に使うものかもしれませんね」
こういうときのウカリはなかなか頼りになる。赤魔導士の副団長だけあって、知識量は抜群だ。
「それより、ここからどうやって出るんすか? さっきの滑り台以外に入り口も出口もないっすよ」
「なんだと!? それではここから出られんではないか!」
「だから団長に助けを求めてたんすよ」
「助けもなにも聞こえてこなかったぞ!」
あれではとても助けを呼んでいたとは思えんだろう!
まったくコイツらを連れてきたのが失敗だっただろうか。だが、これも国王の命令だったししかたない。
まったく国王はなにを考えているのか、さっぱりわからんな。
「あ、あそこから出られないすか?」
上を見上げたテキトンが、天井に向かって指を刺している。
よくよく見ると、この白い模様のちょうど真上にキラキラと光る星が見えた。そうだ星だ。ここから外に繋がっているのだ。
「うーん、ちょっと距離がありますね。テキトンの風魔法でいけそうですか? なんなら補助魔法もかけますよ」
「うん、大丈夫。いけると思うけど、補助魔法も頼む」
「よし、それならバラバラにならないように、なにかで縛るのだ!」
それぞれのローブを切り裂いて、細長い紐にして腹に括りつけた。これで風魔法で飛ばされそうになっても安心だ。
ウカリが補助魔法をかけてテキトンが風魔法を放った。
「ツイントルネード!」
テキトンの放った魔法は私たちを巻き上げて、たしかに天井の近くまで押し上げた。だがわずかに及ばす地面に叩きつけられる。
「ぐへぇっ!」
「うぎゃっ!!」
「ぐわっ!!」
私の上にテキトンとウカリが落ちてきて、一瞬息ができなかった。
「テキトン、今のはなんなのだ! もっと魔力を込めんか!!」
「えー、魔力込めすぎたら危ないけどいいんすか?」
「構わんからやれっ!」
ウカリが治癒魔法をかけたあと、もう一度テキトンの風魔法で脱出を試みる。
「トリプルトルネード!!」
先ほどの風魔法の二倍はありそうな威力で、私たちを巻き込んだ風魔法は威力が強すぎて遺跡の柱を壊して三人はバラバラに飛ばされた。
「ぐはっ!」
「うぐっ!!」
「どわっ!!」
ダメだ……! コイツらに任せていては、いつまで経ってもここから脱出できん!!
「ぐふっ……はぁ、はぁ、テキトンは、もうよい……私が、やる」
結構なダメージをウカリに回復させて、あらためて風魔法を使うことにした。魔物もいないので、魔力の回復のために仮眠を取ってから試す。これでも魔導士団の団長なのだ、風魔法くらい操るのは簡単だ。
「トルネードバーン!!」
私は思いっ切り魔力を込めて、風魔法を放った。荒れ狂う風が巨大空間をかき回して、私たちを巻き上げる。
下からの強い突風が私たちを強力に押し上げた。
息もできないほどの強風に、柱は倒れ天井が崩れ落ちてくる。それによって出口が広がり、私たちはついに外に脱出できた。
「やったぞ! 外に出たぞ!!」
風魔法で少し飛ばされてしまったが、なんとか着地することができた。
振り返ると、私の風魔法で遺跡はバラバラと崩れ去っていく。まあ、こんな辺鄙なところにある遺跡だ。壊れたところでなんの問題もないだろう。
そんなことよりも、もう夜明けの時間なのに驚いた。魔法がうまくいかず、かなり時間を使ってしまったようだ。
「団長やりましたね! 遺跡はグチャグチャになったっすけど」
「団長のおかげで、外に出られました! ……うん? あれはなんでしょう?」
歓喜に染まる私はウカリの言葉に遺跡を振り返った。
崩れ落ちた遺跡から黒い霧が出てきて、空に広がってゆく。
私はそれを見て体中に鳥肌がたった。ブルブルと体が震え腰が抜けそうになる。
なんだこれは! なんなのだこれは!? こんな邪悪な気配は初めてだ!! 魔物なんてかわいいものだ、あのキングミノタウロスだって、これから見たら赤子のようではないか!!
ウカリとテキトンも、これが只者ではないと理解したのか青い顔をして震えていた。
「逃げるぞ……ここにいたらダメだ、逃げるぞ!!!!」
私たちは振り返ることなく、遺跡から逃げ出した。向かうはウッドヴィルだ。回復魔法と補助魔法で休まずに走り続けた。
もうなにも考えずにとにかく帰りたかった。