メリアタウンの街並みも徐々に変わり始めてきている、元々貿易都市であったこの街では活気にあふれる中央広場があった。食料品や衣類と言った日常で必要なものが売られるいわば市場である、そこに並ぶ商品は様変わりして今では海上商業組合(ギルド)から流れてくる戦闘用品がびっしりと並べられるようになる。
 もちろん食料品などの今までの商品も少なからず並んでいる。こちらに関しては中央広場より十字に伸びる大きな街道に並ぶようになった。
 南の街道は石畳の道が伸び、商店が軒並み並ぶ綺麗で立派な道だった。煉瓦で出来た家々に人々の往来が多数。夜になれば街灯が灯り、酒場では旅人達が美酒に酔う。昼間の顔とは別に歓楽街としての機能も担っている。
 変わって北側には軍事拠点である海上商業組合(ギルド)支部が設立され、そこにつわもの達が日々帝国との戦闘に備えて集まる。今では司法にも携わる者たちも集まり政治もそこで行われるようになった。その一角、彼等FOS軍専用の建物が建てられている。
 専用と言っても拠点を置くために建てられた背景もあり様々な人がそこに出入りする。現在彼らの拠点に常駐しているのはいつぞやの医者と数名の志願者たちだ、集まったのはどれも実力者揃いでありメリアタウンの治安維持も一緒にになっている。そう、今この街は彼等FOS軍無しでは稼働しないと言っても過言ではない。
 元々はただの貿易都市だったここメリアタウンが此処まで繁栄できたのは良し悪しかこの内戦のおかげと言っても間違いではない。内戦と言えど戦争だ、大きな消費が生まれれば潤うものもある。今では一番危険な場所とされつつも一番飢餓から遠い場所、安全な場所として各地で噂になりつつあった。

 さて、彼等だが――レイ達四人は帝国の動向を探る為に山に出向いていた。