懐かしい名前を聞いたこいつは嬉しそうに独占していたパソコンの前で笑顔を作っていた、この三人が揃うのは何年振りだろうか。学生時代に三人が顔を合わせたのを最後にまるっきり合って居ない、そんな時だった。

「今日は賑やかだな」

また携帯が鳴った。



「んで、お前等は暇だから俺の部屋に来た……と?」
「「そうだ」」

 全員が声を揃えて言った、こいつらが一度に顔を合わせるのは十年ぐらいになるだろうか。懐かしい顔が五つも揃っていた。
 一つため息をついて窓の外を眺める、ゆっくりと雲が動いているのをジッと見つめて咥えていたタバコを手に取る。

「変わらないな、お前等」
「皐月は変わったよね、タバコなんか吸うようになったし。車も運転出来るようになったし」

 中学以来の仲間だったそいつらの顔をもう一度見渡す、もう一度ため息をついて少し笑った。

「ははは、お前等本当に何も変わって無いな」

 笑顔のままそう言った。それに釣られて皆も笑う。懐かしい一時を思い出しながらこの時間を大事にしよう。そう考えながら。

 青春と言うも字を辞書で引くとそれは二十五歳までだと言う、この意味は僕に疑問を持たせる。
 今を青春と感じるなら、それ以降はどうなるのだろう。三十歳になって同じ空を見上げても青春を感じるだろうか、それとも。

 青春と言う文字を辞書で引いて見た。