ピピピ...ピピピ...
白地に金の装飾が施されたドレッサーの上に乗っているスマホがじりじりと揺れている。昔からずっと好きだったちょっぴり悲しめの恋愛ソングが耳に届く。
目覚ましをかけた時間よりも早く起きてしまった。
はっきりと目も開いていて、ヒラヒラと舞う黄色のカーテンも開けて太陽の光を差し込ませている。
伸びる光は白を基調とした部屋に彩りを添える。
ドレッサーの上で鳴いているのをようやく止める。
残り1時間20分。
支度するには少しギリギリの時間かもしれない。
起きてから十数分は経っているがお風呂に入ったり歯を磨いたりしただけで準備は進んでいない。
肩にかかっているタオルで拭いた髪はまだ半乾きだったので先にドライヤーで乾かすことにした。
ドライヤーで乾かしていると先程のシャンプーの匂い、金木犀の香りがふんわりと香った。
朝食はあまりカロリーを取りたくなかったので
フルーツの入ったヨーグルトとスムージー。
彼氏の目の前で食べたらそれだけで足りるのかと心配されたこともあった。
昨日の夜に沢山悩んで決めた服をカーテンレールから離す。
春色のロングスカートとそれに合う白いブラウスに身を通す。
可愛いと、思ってもらえるかな。
メイクはナチュラルめに、服と合う色を使って。
肩下に伸びた髪は緩めに巻いて。片側は耳にかけようかな。
髪をかけて顕になった耳には控えめに輝くイヤリングをつけて。
残り30分。
ドレッサーの上に置いてあった小さなバッグを持つ前に、香水を身に纏う。
6時30分。余裕を持って出た家の鍵を閉めると自分の手首と髪から金木犀の香りが届いた。
「もう、おそいよー!」
その人は待ち合わせ時間に現れた。
「いや、時間ピッタリだけど…」
「他2人も揃ってるんだから!遅いの!」
「…ごめん」
「私達は大丈夫だから…!ね?」
私は隣にいる彼氏に目配せしてそう言うと彼氏もそれに頷いてくれた。
「せっかくのダブルデートなんだから、早く行こ!」
ダブルデートの相手は仲良く腕を組んで前へ前へと歩いていった。
着いていく形ですぐ後ろを彼氏と歩いていく。
彼氏と今日の行き先について話していた私は
金木犀の香りが自分のものだけじゃないことに気づいてしまった。
白地に金の装飾が施されたドレッサーの上に乗っているスマホがじりじりと揺れている。昔からずっと好きだったちょっぴり悲しめの恋愛ソングが耳に届く。
目覚ましをかけた時間よりも早く起きてしまった。
はっきりと目も開いていて、ヒラヒラと舞う黄色のカーテンも開けて太陽の光を差し込ませている。
伸びる光は白を基調とした部屋に彩りを添える。
ドレッサーの上で鳴いているのをようやく止める。
残り1時間20分。
支度するには少しギリギリの時間かもしれない。
起きてから十数分は経っているがお風呂に入ったり歯を磨いたりしただけで準備は進んでいない。
肩にかかっているタオルで拭いた髪はまだ半乾きだったので先にドライヤーで乾かすことにした。
ドライヤーで乾かしていると先程のシャンプーの匂い、金木犀の香りがふんわりと香った。
朝食はあまりカロリーを取りたくなかったので
フルーツの入ったヨーグルトとスムージー。
彼氏の目の前で食べたらそれだけで足りるのかと心配されたこともあった。
昨日の夜に沢山悩んで決めた服をカーテンレールから離す。
春色のロングスカートとそれに合う白いブラウスに身を通す。
可愛いと、思ってもらえるかな。
メイクはナチュラルめに、服と合う色を使って。
肩下に伸びた髪は緩めに巻いて。片側は耳にかけようかな。
髪をかけて顕になった耳には控えめに輝くイヤリングをつけて。
残り30分。
ドレッサーの上に置いてあった小さなバッグを持つ前に、香水を身に纏う。
6時30分。余裕を持って出た家の鍵を閉めると自分の手首と髪から金木犀の香りが届いた。
「もう、おそいよー!」
その人は待ち合わせ時間に現れた。
「いや、時間ピッタリだけど…」
「他2人も揃ってるんだから!遅いの!」
「…ごめん」
「私達は大丈夫だから…!ね?」
私は隣にいる彼氏に目配せしてそう言うと彼氏もそれに頷いてくれた。
「せっかくのダブルデートなんだから、早く行こ!」
ダブルデートの相手は仲良く腕を組んで前へ前へと歩いていった。
着いていく形ですぐ後ろを彼氏と歩いていく。
彼氏と今日の行き先について話していた私は
金木犀の香りが自分のものだけじゃないことに気づいてしまった。