「その相談相手がいないんだよ!母親は?息子を放っておいて仕事に専念。学校には下等生物がうじゃうじゃ。教師も当てにならない。それで誰に相談しろと?」
自分でも驚くぐらい怒鳴り声をあげていた。その時僕はどんな顔をしてたのか気になった
そしてその3秒後に頬に激痛が走った。
「痛った。何すんだよ、事実を言っただけじゃんか。何で叩かれなきゃいけねーんだよ」
「ふざけるのも大概にしなさい。あなたは相談相手を作ろうとしないだけ。母さんも声をかけてくれたらいくらでも相談に乗る。何もかも否定的な意見を押し付けないで。あなたは人に優しい、だからこそ友達ができやすいのに下等生物がどうたらとか言うから友達ができないんじゃないの?」
「うるせーな。高校2年はよ、色々な事情があるんだよ。勝手に俺の世界に入ってくんなクソババアが」
そのまま俺は乱暴にドアを開け寝室に入っていった。
ただし、このことを一生後悔することをまだ知らなかった
                       *
二千XX年七月二八日。今日はしとしとと雨が降っていた。傘をささなくてもそこまで濡れないだろうと高を括っていた。そしたら予測が外れずぶ濡れになって学校に着いた。
教室に行く途中窓を見るといつもなら綺麗な海が雨のせいか、少し濁っていた。雨は好きな方だが海が濁った時の色合いは好きじゃなかった。
教室に着くと自習している生徒もいれば友達とスマホで動画を見ている生徒もいた。
授業開始の5分前を知らせる予鈴が鳴りクラス全員が席についた。上級クラスは陽キャもいるがしっかり規律が守れるようないい奴らだった。ただどちらにせよ友達になろうとは一切思わなかった。
午前の授業が終わりに近づくにつれて頭痛がひどくなっていった。なので昼休みに薬を飲みやっと頭痛が治った。
午後の授業は2時45分から始まることになっている。昼休みはかなり時間があったが宮内が所属している弦楽器部の部室で弁当を食った。
「何部活だったけ?僕は弦楽器部のビオラやってるんだけど、先輩が厳しくて夏コンとか出させてくれないんだよね」
「帰宅部ってやつ?部活あんま楽しそうじゃないし、ちなみに高二までチェロやってたよ。だけどあることをきっかけにやめちゃったんだよね。」
「あることって?」
宮内が興味津々に聞いてくるので言うか否か迷った。数秒待って結果として教えることにした